くまの農業振興公社(長野秀信代表取締役)では、来年度から収量の増加を目指している激辛唐辛子「ハバネロ」を栽培する協力農家を募集。10月30日、長野代表取締役らが記者会見を行い、11月6日(木)午後1時半から、同公社(旧有馬保育所)で栽培説明会を開くことも含め、幅広く協力を求めた。
熊野市では平成23年から、唐辛子の産地化を目指して試験的に栽培を開始。同29年からは地域の特産品として定着させることを目的に同公社で栽培加工販売を開始した。唐辛子栽培は熊野の温暖な気候に適しており、シカやイノシシなどの獣害にも強い作物でありながら手間がかからないこと、軽量であるため身体への負担が少ないことなどから、耕作放棄地の解消や農家の所得向上などを目指し、徐々に生産量を増やして加工品の開発や都市部への販路拡大も進めている。
同公社によると今年は4件の委託農家から生産協力を得て、公社では激辛で有名なハバネロなど世界中の唐辛子を、委託農家からはタイ原産のプリッキーヌやインド原産のプサジュエラ等の生産協力を得て、全体で約3㌧を収穫。そんな中、京都府の加工業者との間でハバネロ粉末約1㌧、生果にして約10㌧の取引が決まったことから、本年度の約10倍に上る栽培本数の確保へ更なる協力を求めることとなった。
同公社によると栽培は1㌃からでも農地があれば可能で、同公社で苗の提供や栽培指導も行う。栽培自体は定植から施肥や水やりで木が大きくなればそれほど手間がかからず、8~11月にかけて収穫を迎える。栽培マニュアルも完成しており、病気などあれば専門家のアドバイスも受けられるなど、バックアップ体制も万全。収穫したハバネロは規格による可否はなく、虫食いについてもその部分は取り除けば同公社で買い取り、価格は1㌔880円。
栽培説明会の参加申し込みは同公社(0597・70・4710)まで。長野代表取締役は「来年は本格的な産地化の第一歩で、5年後には30㌧の収量を目指します。熊野の唐辛子を日本一に出来るよう、ぜひご協力を」と呼びかけた。

