老朽化著しく修繕困難に 市民会館のピアノ新調を 「クラファン」に協力求む

 熊野市民会館のピアノ新調を目指して立ち上げた「熊野市民会館ピアノ購入支援プロジェクトチーム」の発起人である小林朋香さんらが20日、熊野市政記者室で会見し、設定金額1300万円のクラウドファンディング実施を発表。市内外多くの協力を求めた。

 小林さんやピアノ調律師の大西拓さんによると、市民会館で使用されているピアノは少なくとも55年が経過しており、これまでにも度々部品交換など修理を重ねてきたが、根本的な部分である本体の老朽化が著しいうえ修繕不可能な部分も出てきているとのこと。音色や音の響きはもちろん、鍵盤のタッチにも影響が出てきていることからピアノの新調を検討したが、希望するクラスのピアノは新品で約2000万円とあり、市と交渉を重ねるも不調に。その後、中古で状態の良い1045万円のグランドピアノを探し出し、現在キープしている状態にしてクラウドファンディングでの資金調達に至った。

 プロジェクトチームは地元の音楽家や教育関係者、市民有志らが賛同者となって立ち上げられ「熊野のホールに次世代へ受け継ぐ音を残したい」という思いのもと、専門的な知識と市民の力を結集。ただ、必要性がなかなか伝わらないもどかしさもあるという。

 資金集めはクラウドファンディングサービス「READY FOR」で行い、設定金額は手数料を含め1300万円。12月19日までのわずか59日間という短期間での高額資金達成は困難との見方がある中での実施となり、目標金額に達しない場合は全額支援者へ返金となる。

 小林さんや大西さんは「市民会館での発表会などで使わせて頂いてますが、近隣のホールでもこれほど古いピアノはなく、現状ではプロのピアニストも呼べません。バイオリンなど年月を経ても良くなる楽器とは違い、ピアノは音の響きや弾いた感触、音色が劣化してしまう。子どもたちに良いピアノを弾かせたり良い音楽を聴かたせたりし、市民の皆様にも美しい音色を楽しんでもらうためにも、ぜひ多くのご支援、ご協力をよろしくお願いします」と訴えた。

 なおクラウドファンディングは21日0時からスタートしており、QRコードから支援が可能。金額に応じて返礼も用意しており、インスタグラムなどSNSでも協力を求める。「支援の方法が分からない方などおられましたら、小林(080・1099・6137)までお気軽にお問い合わせください」と呼びかけている。

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