熊野市長選は19日に投票が行われ、即日開票の結果、現職の河上敢二さん(69)が前市議の松田唯さん(50)との一騎打ちを制し、新熊野市で6選、旧市から含めると8選を果たした。投票率は59・99%で、前回市長選が行われた2017年の70・30%を大きく下回った。当選した河上さんはこれまでの実績を踏まえ、雇用の場創出による産業振興を強調。現職の強みを生かし、幅広い層から票を取りまとめた。松田さんも反市長票を集めたが、涙を飲む結果となった。
開票は午後8時から、金山町の東紀州くろしお学園体育館で行われた。作業に当たった市職員らは投票箱を次々とテーブルの上に空けた。
午後9時の1回目の開票発表を前に、開票所に積み上げられた票の束から、当選確実の一報が入ると井戸町の選挙事務所から歓声が上がった。午後9時5分に最終発表が出され河上候補4837票、松田候補2820票で結了した。有効投票数は7657票で、無効票が50票。
河上事務所には鈴木英敬衆議院議員や一見勝之知事、連合三重の番条喜芳会長はじめ地元選出県議、県内市町の首長らがお祝いに駆けつけた。当選祝賀会では鈴木衆院議員が「熊野を更に元気にしていきたいという河上市長の危機感と、多くの仲間との連携、アグリパークをはじめとした夢の実現のために粉骨砕身頑張っていくという気迫が今回の当選につながったと思います。市民の皆さんの負託に応え、しっかり熊野を元気にしていただくよう心から期待したい」と祝辞。一見知事や番条会長、三重県市長会長の森智広四日市市長、同町村会長の西田健紀宝町長も祝福の言葉を贈った。来賓紹介に続き、支持者が河上市長に花束を贈呈。万歳三唱で当選を祝った。
はるみ夫人と一緒に花束をうけとった河上さんは多くの支援に感謝の言葉。「何と言っても、当選させていただいたのは市民の皆さんの私に対する評価であったと思います。一定の評価を頂いた結果と思ってございます。これまで言ってきたこと、しっかり全ての言葉を公約として必ず実行して参りたい。市政運営の基本であります市民本位の行政、市民が主役のまちづくり、そして市民の声を大切にして、市民の皆さんや事業者の方々と一緒になって熊野市を元気にしていきたい」と力を込めた。
また、河上さんは報道陣の質問に「8期目ですから、市民のご支援を頂けるかどうか、正直不安がありましたが、お陰様で当選させていただくことが出来嬉しく思っています」と率直な喜びを語った。公約については「必ず実行し、きっちり成果を出すよう努めたい。短期的には物価高騰への対策をすぐにやりたい。中長期的には、人口減少について産業振興や若い女性の思いが実現できるまちづくり、子育て支援のさらなる充実などで人口減少に歯止めをかけられるようにしたい」と語った。

