熊野市教育委員会は27日夜、市文化交流センターで第1回熊野市立学校適正配置検討委員会を開き、児童生徒数の減少を踏まえた今後の学校配置のあり方について、教育環境の将来像の検討をスタートさせた。
同委員会は少子化の進行や地域特性を踏まえ、教育環境の充実と効率的な学校運営の両立を図ることを目的に設置。学識経験者や保護者、学校関係者、保育・幼児教育関係者ら12人で構成され、任期は2年。委員長には元高等学校長の榎本和能さんが選出された。
冒頭、倉本勝也教育長は「出生数は減少し続け、特にコロナ禍以降は急激に落ち込んでいる」と現状を説明。「将来を担う子どもたちの豊かな学びを第一に、市全体の学校配置を多角的に検討してほしい」と呼びかけた。
委員からは「委員会の立ち上げが遅いのでは」「少人数では人間関係の固定化が課題」といった指摘の一方、「小規模校には一人ひとりに目が届く良さがある」「地域から学校がなくなると活力が失われる」「他地域の例に習うのではなく、熊野市独自のアイデアを」といった声も上がり、統廃合の是非を巡り多様な意見が交わされた。
また、教職員不足や部活動の成立、行事縮小、地域特有の文化継承など、学校運営の課題も共有され、「すべての児童生徒に多様な体験機会を保障するためには一定規模が必要」とする意見も出された。一方で、通学手段の確保や地域文化の継承など、配置見直しに伴う課題への配慮を求める声も多く聞かれた。
榎本委員長は「子どもの学びの質と地域とのつながりの両立が大きな論点」と総括。「同級生がいない環境は子どもにとってどうかという視点も重要。多様な意見を踏まえ、方向性を見いだしたい」と述べた。
委員会は年6回程度の開催を予定し、来年3月をめどに答申または中間報告を取りまとめる方針。次回は4月24日午後6時30分から同センターで開かれる。
なお、委員会で配布された資料では現在と10年後の児童生徒数の推計も示された。市内の児童生徒数は令和7年度で新鹿小4学級24人、木本小5学級45人、井戸小10学級126人、有馬小9学級106人、金山小12学級210人、五郷小4学級17人、飛鳥小3学級23人、入鹿小4学級11人。中学校は新鹿中3学級15人、木本中5学級101人、有馬中8学級168人、飛鳥中4学級20人、入鹿中3学級12人。
これが10年後の令和17年度は新鹿小3学級6人、木本小3学級23人、井戸小6学級54人、有馬小6学級89人、金山小6学級76人、五郷小3学級6人、飛鳥小3学級21人、入鹿小3学級7人。中学校は新鹿中2学級14人、木本中3学級53人、有馬中3学級105人、飛鳥中3学級20人、入鹿中1学級4人になると推測されている。
委員は次の皆さん。
榎本和能(元高等学校校長)、内田正明(学校運営協議会委員〈新鹿小中〉)、足立知典(同〈井戸小・木本小中〉)、和田いく子(同〈有馬中・有馬小・金山小〉)、舛屋洋子(同〈飛鳥中・五郷小・飛鳥小〉)、川村貴保(同〈入鹿小中〉)、小山雄也(紀南PTA連合会会長)、畑野美咲(保育所・幼稚園保護者)、岸本菜穂子(保育所・幼稚園職員)、寺本育史(小学校長)、下古谷克典(中学校長)、宮本晶子(小中学校職員)

