熊野市ふるさと振興公社は9日、紀和町の同公社長野ほ場で市特産の香酸かんきつ・新姫の収穫作業を開始した。新姫は様々な加工品開発に利用されているが、新鮮な生果が味わえるのはこの季節だけ。同公社では「新姫の風味を楽しんで頂ければ」とPRしている。
新姫は新鹿町で発見された。ニホンタチバナとマンダリンの交雑品種と推定され、平成9年に品種登録された。爽やかな香りが広がる香酸かんきつで、果汁は焼き魚や鍋物などの各種料理に相性がよく、焼酎にも合うと評判。加工商品も開発が進んでおり、現在は果汁やポン酢、飴、アイスクリーム、くず餅、ドレッシング、パウンドケーキなど年々多様になり、改良も加えている。
今年度は個人と団体合わせて23軒が7㌶を栽培。表年にあたり昨年の18・2㌧より約2倍近い34㌧程度の収量になりそうとのこと。初日はスタッフが約3㌢以上に育った新姫を1つひとつ丁寧に収穫していた。
生果は11日(土)から鬼ヶ城センター、熊野市駅前特産品館、お綱茶屋で販売開始する。同公社の辻加純さんは「今年は暑さが続き実の成りがかなり不安でしたが、農家さんの手入れもよく、例年よりかなり良い実になりました。ぜひご賞味ください」と話していた。商品に関する問い合わせは同公社(0597・97・0640)まで。