29日午後3時20分ごろ、熊野市木本町の七里御浜海岸で、波打ち際で遊んでいた女子高校生(15)が波にさらわれ行方不明になった。警察や消防、海上保安庁などが懸命に捜索を続け、30日午前10時20分頃、女子高校生を発見。家族や友人らの切実な願いも虚しく死亡が確認された。
尾鷲海上保安部によると、女子高校生は身長150㌢の黒髪。黒のTシャツ、黒の短パンを着用。黒色の服で救命胴衣は着けていなかった。この日は台風の接近に伴い、普段より高い約2㍍の波が海岸に押し寄せていた。
熊野署や現場周辺に居合わせた人らの話では、女子高校生は津市内の県立高校に通う生徒で、スポーツ合宿のため熊野市を訪れていた。自由時間に友人らと七里御浜海岸の波打ち際に近寄った所、波に足を取られ海に引きずりこまれたという。
女子高生は50㍍ほどの沖合で浮かんでいたが、間もなく姿が見えなくなった。居合わせた市民らからは悲鳴があがった。
通報を受け、現場には警察や消防が急行。ドローンや三重県水難救済会尾鷲救難所のボランティア船舶などで捜索を行った。また、尾鷲海上保安部の巡視艇みえかぜや、中部空港海上保安航空基地のヘリコプター、巡視船いすずと巡視艇いせゆきの潜水士も出場。夜の海にライトを照らし潜るなど、懸命な捜索が続いた。台風の高波に苦慮しながらの捜索となり、同日夜に一旦打ち切り。30日も午前5時からヘリコプター等で捜索が行われていた。
現場の七里御浜海岸は遊泳禁止区域。海岸近くは浅く見えても、急な落ち込みがあり、波も巻き込むように来る。波が高い時は引き潮で転がる砂利石に足を取られ身動きも取りにくくなる。救助活動を見守っていた近くに住む男性は「地元の者は波の高い時は絶対に海岸に近寄らないようにしている。どうにか無事に見つかって欲しかった」と話していた。