次は「すさみ串本道路」開通へ 総会で関係者が一致団結 東紀州に高速道路をつくる会

 「東紀州に高速道路をつくる会」は25日夜、紀宝町役場で第23回総会を開催。会員らは地域の悲願である紀伊半島を1周する高速道路(近畿自動車紀勢線)の完成、そして地域を支える道路ネットワーク形成という総意を再確認し、引き続き団結していく意思を示した。

 近畿自動車道紀勢線は勢和多気JCT(三重)~松原JCT(大阪)までの335㌔。交通アクセスの利便性向上による観光振興、地域間交流の促進、物流の効率化、さらに災害時には当地域唯一の幹線道路である国道42号に代わる命の道として様々な面で期待されている。同会は東紀州地域や新宮市などから137人の会員で構成。発足して23年目を迎える中、これまでの要望活動が実を結んで全線事業化が決定している。

 昨年12月7日に熊野川河口大橋を含む「一般国道42号新宮紀宝道路」(2・4㌔)が全線開通。残る未開通区間は①熊野大泊IC~久生屋町までの「熊野道路」(6・7㌔)②熊野市、御浜町、紀宝町の3市町をつなぐ「紀宝熊野道路」(15・6㌔)③新宮市あけぼの~三輪崎までの「新宮道路」(4・8㌔)④那智勝浦町八尺鏡野(やたがの)~串本町鬮野(くじの)川までの「串本太地道路」(18・4㌔)⑤串本町サンゴ台~すさみ町江住までの「すさみ串本道路」(19・2㌔)―の5区間。5区間で最も開通時期が早い見込みなのは「すさみ串本道路」で、もともとは令和7年春の開通予定だったが、基礎掘削中に地盤の亀裂が見つかったことなどから令和9年夏に変更されている。

 国交省や県による各道路の整備状況説明によると、熊野道路は熊野市内でのトンネル工事中、紀宝熊野道路は御浜町や紀宝町での用地調査や買収等、新宮道路は用地買収を推進、串本太地道路は道路設計や橋梁設計など実施しているという。

 同会では今後も近畿自動車道紀勢線の早期整備と必要性を訴え、未開通区間の早期完成や工事着手、必要な予算確保などを国、県等に要望していく。廣畑勝也会長は「新宮紀宝道路が開通して生活も便利になり、紀伊半島一周が一層待ち遠しくなった。もっと便利な道になるように、引き続き頑張っていきたい」。来賓代表の谷川孝栄県議会議員は全線開通の道半ばで急逝した先人たちに想いを馳せ、「今後も心を一つに要望活動を頑張っていきたい」とそれぞれ述べた。

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