「熊野びとの戦記」13日から文化交流センター

 熊野市文化交流センターで13日から18日まで、企画展「第3回語り継ぎたい平和への想い『熊野びとの戦記』」が開かれる。76年を経て戦争の記憶や記録が薄れゆく中、熊野の地から戦地へと赴いた16人の体験談や遺品、手記に秘められた想いなどを展示する。展示時間は午前9時から午後5時。

 久生屋町の中田重顕さん(79)がコーディネーターを務め、戦争を体験した人や遺族らから貴重な歴史の証拠や証言を集めた。会場には神風特攻隊の奇跡的な生還者である倉本宣男さん(紀和町)や、零戦に乗りミッドウェー海戦で戦死した岩間品次さん(紀北町出身)、戦艦大和の乗組員だった坪井平次さん(五郷町)、西南戦争に従軍した田岡音松さんら16人の軌跡や遺品などに、光が当てられている。

 徴兵され兵士として西南戦争に従軍した田岡さんは「鹿児嶋戦争記」と題した手記を残した。中田さんは「歴史的にも貴重な記録。研究者が見たらたいへん喜ぶと思う」と話す。岩間さんは零戦三番機のパイロット。これは全海軍3番手の名手でもあり、真珠湾の「我奇襲に成功せり」の中にもいたという。

 17日(土)午前10時30分からと午後2時からの2回、中田さんと御浜町の阪本浩子さんによるギャラリートークが行われる。テーマは「平和への証言『熊野びとの戦記』」。参加無料。阪本さんは海軍整備兵(海軍少尉)だった堀壽さん(阿田和出身)の娘。ギャラリートークでは阪本さんが父の残した文章を朗読する予定という。主催者では「新型コロナウイルス感染防止対策へのご協力をお願いいたします」と呼びかけている。

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