新しい時代の人材に期待 西田健氏が勇退を表明 来年の紀宝町選挙に不出馬

 来年2月4日の任期満了に伴い1月に実施予定の紀宝町長選挙について、現職・5期目の西田健氏(77)は2日、不出馬を表明。鵜殿村長時代からこれまで25年間、四半世紀にわたって村・町政のタクトを振るってきたが、「鵜殿村長時代から取り組んできた熊野川河口大橋が完成し、水害では甚大な被害があったが、みんなで乗り越え、これを機に新宮川水系(熊野川)の整備計画ができた 。来年1月10日には町制20周年を迎える中、ここを一つの区切りとして次の町長選には出馬しないと決めた」と勇退の理由を語った。

 西田氏は昭和23年4月3日生まれ。44年3月に熊野工業高等専門学校機械工学科を卒業し、47年3月に鵜殿村に奉職。建設課長、総務課長などを歴任し、平成12(2000)年1月31日に村長選出馬のため退職。同年3月5日から18年1月9日までの2期、〝日本一面積が小さく、日本一人口密度の高い村〟で村長を務めた。その後、鵜殿村と旧紀宝町が合併し新町制が始まった平成18年2月の町長選で初当選以降、現在5期目。このほか、現職では三重県町村会長(3期目)、タイムライン防災・全国ネットワーク国民会議議長、過去には全国町村会副会長、矢渕中学校PTA会長、紀南高等学校PTA会長、鵜殿村青年会長など務めてきた。

 在職中、紀宝町では様々な出来事があった。平成25年6月に紀宝バイパスが開通、昨年12月に新宮紀宝道路の開通、平成25年に石川県中能登町と姉妹町提携を締結するなど明るい話題の一方で、平成23年9月は未曾有の災害となった紀伊半島大水害を経験。これを教訓に全国初の事前防災行動計画(タイムライン)を導入、現在では地区単位にまで細分化し、災害に強いまちづくりを推し進めている。

 次のバトンを託す人材の指名はしない意向だが、「四半世紀にわたって取り組みを進めてきましたが、ICTなどデジタルの時代が進み、新しい時代にふさわしい人に託したい。これまでの町政にご理解いただき、リーダーシップをもってこれからの新しい時代の町づくりをしていく人が出てきてくれれば」と期待を寄せた。

  • URLをコピーしました!