御浜町は6日、健康福祉課が行った福祉関連の随意契約を巡る内部調査の結果を公表した。随意契約の選択や相手方の選定に地方自治法上の違反は認められないとする一方、必要な見積書を徴取せず、価格決定に至る記録も不十分だったと認定。複数の確認段階で不備が是正されず、決裁手続きが「実質的に機能していなかった」と指摘し、関係職員3人を同日付で文書による厳重注意とした。
対象となったのは、令和5年度から続く「御浜町福祉アドバイザリー業務委託契約」と、本年度の「生活支援体制整備事業」の業務委託契約。前者は5年度に元町職員のA氏と、6年度以降はA氏が代表を務める合同会社フラットと各年度330万円で契約。本年度は同社と400万円で生活支援体制整備事業の業務委託契約も結んだ。いずれも一者単独の随意契約となっている。
福祉アドバイザリー業務では、A氏の退職から3日後に契約が締結されていた。町議会では地方自治法第100条に基づく「随意契約等調査特別委員会」が設置され、これに伴い町も8月3日に内部調査委員会を設け、関係書類の確認や職員らへの事情聴取を進めた。
内部調査委員会は中本勝調整監兼総務課長を委員長に、本誠一教育長、仲村和彦調整監兼農林水産課長の3人で構成。法令上の適合性については楠井法律事務所の弁護士9人を調査協力弁護士とし、指導や法的助言を受けて検証した。
調査ではA氏の専門性や実績、地域の福祉事情への精通などから、競争入札に適さない業務として随意契約を選択したことや相手方の選定に不合理な点はないと判断。退職後の契約についても、A氏から契約締結に向けた「働きかけ」があったとは評価できず、地方公務員法の再就職者による働きかけ規制や官製談合防止法に抵触する事実は認められなかった。
一方、契約相手から必要な見積書を取っておらず、価格算定や相手方との調整経過などの記録も不十分だった。このため契約金額の決定過程を事後に十分検証できない状態だったとし、契約事務の適正性や透明性、説明責任に関わる手続き上の不備を認定した。
大畑覚町長は「法令違反が認められなかったことをもって、町の事務処理に問題がなかったということではありません」として町民に謝罪。今後は契約事務着手前の決裁を原則徹底し、見積書や価格算定の根拠、協議・調整経過などを記録、保存するとしている。
また、今回の内部調査は町議会の百条委員会とは別に行われたもので、報告書は議会の調査や判断を「代替し、又は制約するものではない」と明記。新たな事実や資料が明らかになった場合は追加検証するとしている。
なお町は、本来は町長自ら記者会見で説明すべきところ、大畑町長の任期満了を間近に控え、公務日程の都合から直接説明する機会を設けることが困難として、書面で報道各社に情報提供した。

