令和7年度熊野建設事務所優良工事表彰及び優良工事表彰(若手部門)の表彰式が17日、熊野市井戸町の県熊野庁舎であり、3事業所と4人の技術者を表彰した。
この表彰は県と建設業協会が連携して進める「新三重県建設産業活性化プラン」の取り組みの1つで、同事務所発注の建設工事において優良と認められる工事の受注者及び技術者を表彰するもの。令和3年度からは40歳未満の若手技術者の技術力向上に対する意欲を高め、将来の建設産業を担う技術者を育てることを目的として、若手部門も創設した。
本年度表彰を受けた工事は▼株式会社井本組及び前健市さん(監理技術者)=国道311号(甫母Ⅱ期)道路改良(防潮堤工)▼日本土木工業及び伊藤順子さん(主任技術者)=主要地方道御浜紀和線(西原BP)道路改良▼浜中工務店及び濱中琢朗さん(主任技術者)=一級河川相ヶ谷川河川改修▼日本土木工業及び新絵里佳さん(主任技術者・若手部門)=尾呂志川堆積土砂撤去。
表彰式では同事務所の冨永大介所長が「施工時における安全管理はもとより、施工管理や出来栄えなど総合的に優れ、他の受注者の模範となるものとして選定させていただいた。今後もご自身の仕事に誇りを持ちつつ、技術力の向上に努められ、管内建設業者の〝牽引車〟としての活躍を期待しています」と挨拶し、表彰状を授与。表彰を受けた事業主や技術者らはそれぞれ、今後も品質向上や安全第一の工事などにまい進する決意を語っていた。各工事の表彰概要は次の通り。
▼熊野市甫母町地内、国道311号(甫母Ⅱ期)道路改良(防潮堤工)=現道の幅員狭小や線形不良区間を解消すべく、既設防潮堤の撤去・築造を行い、現道を拡幅する工事。前面に漁港、背面には人家が隣接し、地元との緊密な調整が必要だったが、綿密な施工管理の基で出来形や品質の確保に努めつつ、安全かつ円滑に工事を完成。
▼御浜町西原地内、主要地方道御浜紀和線(西原BP)道路改良=現道の幅員狭小や線形不良区間を解消するバイパス工事で、今回は工事用仮桟橋の撤去や道路盛土工を発注。急峻な地形に架設された仮桟橋は橋長24㍍、幅員6㍍の構造物であるため、詳細な撤去計画を立案し、安全かつ円滑に完成。
▼熊野市飛鳥町小阪地内、一級河川相ヶ谷川河川改修=洪水を安全に流下させることを目的とする護岸整備工事。川幅が狭いうえに背後地の斜面が急峻であることから、斜面にコンクリート吹付工を実施したうえでブロック積み護岸を整備するため、斜面の状態を常に監視しつつ、安全かつ円滑に完成。また、鮎の放流などから工期的な制約もある中、濁水対策も自主的に実施して適切な工程管理により早期に工事を完成。
▼御浜町阿田和地内、尾呂志川堆積土砂撤去=洪水を安全に流下させることを目的とする堆積土砂撤去工事。進入路となる道路が清掃センター入口となることから、センターとの調整や残土処分地内で各業者が輻輳(ふくそう)する中、主体的に調整に取り組んだ。また、残土処分地では地域住民からの要望も積極的に調整し、円滑に工事を完成。