熊野市の河上敢二市長(68)は11日、熊野市役所市政記者室で記者会見し、10月12日告示、同19日投開票の市長選挙への出馬を表明した。
河上市長は東京大学卒。農林水産省に入省し、在イタリア日本国大使館一等書記官、大臣官房調査課課長補佐などを経て、平成10年に旧熊野市長に初当選し、これまで紀和町との合併時も含めて現在7期目。三重県市長会長を3度務めるなど県や東海、全国の要職を歴任し、令和4年には全国市長会副会長、全国農業共済組合連合会代表幹事などを務め、現在は全国市長会の相談役に就いている。
出馬を決意した経緯については、先月下旬に市内主要団体の代表者から、また後援会など支援者からの出馬要請を受けたことなどを挙げ「市民の皆様からも『出馬すべき』などのお声をたくさんいただいていた。そうした応援の声が立候補につながった」などと説明。立候補にあたっては熊野市の再活性に向けた取り組みとして▽若者・女性に魅力ある働く場の創出、効率化・付加価値向上による産業振興▽若者・女性が自らの思いを実現できる魅力あるまちづくりの推進▽つながりを基に、1人暮らしでも、いつまでも元気で安心して暮らせる福祉・健康社会の実現▽将来を担う大切な「宝もの」のため、全国トップクラスの子育て支援、少子化対策を推進▽全市民の命を守るための万全な防災対策強化▽「市民が主役・地域が主体のまちづくり」「市民本位の行政」を徹底。国とのパイプを生かし「大型予算」と「健全な財政運営」を継続―を掲げた。
河上市長は「県内トップクラスの子育て支援は更なる拡充も考えつつ、若い世代の流出を止めるためにも、中高生を含めた若者の想いを聞く必要があると考えている。さらに支え助け合える福祉の向上、働く場の創出と人材の確保などに加え、アグリパークが始まったばかりでまだまだ責任をもってやっていかないといけない」などと説明。「日頃から人口減少に危機意識をもって取り組むなか、一度は減少のカーブが緩やかになったがコロナ禍で再び厳しい状況になった。今、これまで以上に急いで取り組みをしないと先々の熊野市の担い手が減ってしまうのではという強い危機意識がある。これまで多くの分野で一定の成果を上げているが、市民の皆様のニーズは一層高まり変化もある。まだまだやらなければいけないことがたくさんあり、ニーズや課題に対してこれまでの経験を生かして取り組むことで、市の活力の再生を実現したい」と力を込めた。