熊野市久生屋町を起点に、終点の紀宝町神内までの15・6㌔をつなぐ「一般国道42号紀宝熊野道路」。道路の中心に位置する御浜町には「御浜IC(仮称)」が設置される。これにあたって14日、同町中央公民館で中心杭打ち式が挙行された。河上敢二熊野市長、大畑覚御浜町長、西田健紀宝町長、国土交通省中部地方整備局の稲田雅裕局長、鈴木英敬衆議院議員、中川康洋衆議院議員、山本佐知子参議院議員、一見勝之知事、谷川孝栄、藤根正典両県議、周辺市町村の首長ら関係者が出席。地域の悲願達成へ、完成に向けて今後も一致団結していく姿勢を見せた。
紀宝熊野道路は平成31年に事業化された。2車線で計画交通量は1日1万2200台。事業費は849億円。道路を整備する背景には、災害に強い道路機能の確保、救急医療活動の支援、地域の魅力向上の支援、広域周遊観光の支援の必要性などがある。道路に並行する国道42号は南海トラフ巨大地震による津波浸水想定区域を通過しており、熊野市4ヵ所、御浜町3ヵ所、紀宝町2ヵ所の浸水が予測されている。紀宝熊野道路をはじめ熊野道路や熊野尾鷲道路などを含む近畿自動車道紀勢線は、津波に対する十分な高さを確保した計画路線で、大規模災害時の緊急輸送道路や一時的な避難場所としての活用も見込まれている。また医療機関への搬送時間短縮はもちろん、アクセス向上に伴う地域外からの人口流入などの効果にも期待される。
主催者代表の大畑町長は、紀宝熊野道路も含む紀伊半島を一周する高速道路の完成に期待を寄せ、開通に向けて尽力してくれる大勢に感謝を伝えた。この後、稲田局長、鈴木議員、中川議員が祝辞を述べ、〝命の道〟の早期整備へ改めて決意を示した。また、式典では御浜町ジュニアバンドが記念演奏を披露した。
今回の杭打ち式を経て、今後は幅杭の打設や事前測量などを行い、工事着手へと進んでいく予定。なお、御浜IC(仮称)は紀南病院の西側(山側)に設置する見込みで、ここへのアクセス道路である紀南病院線と市木阿田和線も合わせて整備していく。