御浜町阿田和の谷口智行さんが昨年8月に発行した論説『窮鳥のこゑ 熊野、魂の系譜Ⅲ』が、日本詩歌句協会の2022年度第18回日本詩歌句随筆評論大賞の論評部門で大賞に決定した。
谷口さんは昭和33年京都生まれ。2歳から新宮市で育つ。平成5年に御浜町阿田和にクリニックを開業。「熊野大学俳句部」に入会した。同7年に「運河」入会し茨木和生さんに師事。同16年に三重文化奨励賞を受賞し、同24年に「運河」編集長に就任。30年からは副主宰を務めた。今年に入って茨木さんから指名を受け主宰に就任した。
日本詩歌句協会は広く一般市民に詩や短歌、俳句と詩歌句についての随筆、評論それぞれの新たな潮流を提示し、詩歌文芸の発展に寄与することを目的にしている。今年度の日本詩歌句随筆評論大賞・随筆論評部門は二ノ宮一雄、坂口昌弘、黒瀬長生さんが選考委員を務めた。
『窮鳥のこゑ 熊野、魂の系譜Ⅲ』は贅言集、漫筆集、小考集、詞華集、四季逍遙、論考から構成される約810㌻。選りすぐりの句や考察、エッセイ的な文章など谷口さんの思考の世界に引き込まれる一冊となっている。
大賞受賞に際し、谷口さんは「この度の受賞に大変驚いています。御選考いただいた先生方に感謝いたしますとともにこの賞に恥じぬよう今後も論作に励んでいきたいと思います」とコメントした。