日本選手権で銅メダル 陸上十種 木本町出身の清水剛士さん

 熊野市木本町出身の清水剛士さん(27)が今月12、13両日、長野県で開かれた陸上の日本選手権・男子十種競技で銅メダルに輝いた。短距離、長距離、跳躍、投擲等10種目の合計スコアを競い、勝者がキングオブアスリートとも讃えられる十種競技。身長180㌢以上の選手が台頭する種目で173㌢の体を鍛えに鍛え、国内トップレベルの成績を収めてきた清水さんに称賛の声が集まっている。

 清水さんは近大高専で陸上を始めた。中京大学、三重県内のNTN陸上競技部へと進み、現在は個人で練習を重ねている。近大高専時代には第28回日本ジュニア陸上競技選手権大会で優勝。中京大学では第84回日本学生対校選手権大会(インカレ)を制した。2015年には日本代表としてインドでのアジア陸上競技選手権にも出場した。

 十種競技は2日間にわたり100㍍、400㍍、1500㍍、110㍍ハードル、走幅跳、走高跳、棒高跳、砲丸投、やり投、円盤投の文字通り10種目の総合力を競う。バランスの良いスピードとパワーが必要だ。清水さんは「力をつけるとスタミナが落ちる。そのバランスは人それぞれで、いろいろな工夫をして取り組むところが面白い競技」と話す。

 国内トップの右代啓佑選手は身長196㌢など、身長の高い選手が上位を占める十種競技。身長173㌢の清水さんは互角に戦うため、人並み外れた努力を重ねてきた。科学的トレーニングの研究など新しい事をどんどん取り入れ、ストイックに陸上に打ち込んできた。

 十種競技のオリンピックへの切符は世界中でたった24人の最も狭き門。一昨年、昨年は怪我に泣いたこともあった。清水さんの東京五輪への出場は叶わなかったものの、日本選手権では三重陸協から出場し、堂々3位に輝いた。

 種目ごとでは100㍍10秒78で3位、1500㍍4分31秒68で3位、走幅跳7㍍40(+2・3)で1位、棒高跳4㍍60で2位、やり投57㍍24、円盤投36㍍20でそれぞれ5位。総合スコア7661点を獲得した。跳躍系の種目が比較的得意という清水さん。「1500㍍でもう少し記録が伸びれば自己ベストに届いたのに」と大会を振り返った。

 日本選手権を終え、今は酷使してきた体も一休み。清水さんは「人一倍工夫してやってきた経験を活かしたい」と話していた。

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