熊野市新鹿町の大﨑辰機さん(82)が4、5両日、福岡県博多の森陸上競技場で開かれた「日本マスターズ陸上競技選手権」の200㍍ハードルM80カテゴリー(80歳以上の部)で見事優勝した。目標はM85(85歳以上の部)での日本記録更新だ。
大﨑さんは中学時代にテニス、高校、大学は器械体操やボクシングを経験。陸上競技はしていなかったが、70歳の時に同級生の笠松晃さんに誘われ、マスターズ陸上に参加。2023年の日本マスターズでは200㍍ハードルで42秒40、9日には80㍍ハードルで18秒87をマークし、それぞれ優勝。念願だった金メダルを2つも手に入れた。
旧新鹿中学校の運動場で草刈り、整地などを手作業で行い、自作のハードルを設置しトレーニングを重ねているという大﨑さん。今年のマスターズは200㍍ハードルで前回の記録を2秒以上縮める40秒18という脅威のタイムで堂々優勝。2位に5秒以上もの差をつけた。
今年の日本マスターズは前回以上に強力なライバルが出場。初日が大雨警報や競技場施設への落雷のためレースが途中で中止になるなど大変な大会となった。大﨑さんは「しっかり整えてきたコンディションを信じ、自分のレースに集中。余力を残すぐらいリラックスし、一つひとつハードルをクリアしていきました。それが2秒以上も早い記録につながったと思います」と振り返る。
今後の目標は、これまで通り怪我をせずに練習を続け、長く競技を続けること。大﨑さんは「M85に出場し、日本記録をつくることを目標に、さらなる鍛錬を重ねていきたい」と力強く語った。