熊野市木本町の木本神社(田中安弘宮司、本山拓哉総代長)の例大祭が11日、秋晴れの下、古式ゆかしく営まれた。氏神様を乗せた総重量約1㌧の神輿をはじめ、大名行列の伝統を受け継ぐ六方行列、祭りの華・ヨイヤなどが町内を練り歩き、威勢のいい掛け声や祭り囃子が響き渡った。年に一度の氏神様の渡御を迎え、木本の町は祝意と熱気に包まれた。
午前9時から神事があり、田中宮司が祝詞を奏上。本山総代長や総代、橋本知也神輿奉仕委員長、歴代奉仕委員長の代表ら祭典関係者が玉串を奉奠し、祭典の無事と町民の安寧を祈願した。続く神移しの儀では、ご神体が神輿に移され、氏神様の渡御に向けた準備が整えられた。
神事では舞姫の森本結妃、森中瑛麻、足立梛(以上、木本小5年)、谷川優衣奈さん(金山小6年)が優雅な「浦安の舞」を奉納。「七力」の村上晴哉、田中慧毅(以上、高校1年)、中村颯(御浜小5年)、田中大智(同4年)、田中麻優(同2年)、中村心春(同)、田中彗来さん(同1年)が雅楽を奏で、祭典に華を添えた。
この間、神輿の先導役を務めるダンジリをはじめ、ヨイヤ、六方行列、子供みこし、元宮太鼓など各役町のダシが次々と神社に集結。笛や太鼓、祝い唄が響く中、境内は祭り一色となった。ダンジリの神楽による伝統の蝶取り儀式では、天狗役の濱地明日斗君(有馬小1年)が見事な演技を披露し、見物客を楽しませた。
午前11時過ぎ、いよいよ神輿が出発。橋本神輿奉仕委員長や樋口皓一、畑井将義両副同をはじめ、海水で身を清めた白装束の若衆約80人が奉仕し、氏神様を乗せた重さ約1㌧の神輿を担ぎ上げた。勇ましい掛け声とともに神社を後にすると、沿道に詰めかけた町民や見物客が渡御を見守り、木本の町は一段と活気づいた。
神輿は午後2時ごろ、お旅所の新出町稲荷神社に到着。休憩を挟み、同神社前の七里御浜海岸では、波打ち際を舞台に勇壮な浜担ぎが繰り広げられた。帰路の三十三銀行熊野支店前の交差点付近では、各町の関係者らが神輿の到着を待ち受け、氏神様の渡御を盛大に歓迎した。
夜が深まると、長時間に及ぶ渡御の大役を果たした若衆をねぎらおうと大勢の町民らが集まった。午後11時ごろに御神体が神輿から本殿へと納められると、境内に万雷の拍手。木本の伝統と誇りを受け継ぐ秋祭りは、感動と祝意の中で幕を閉じた。

