御浜町下市木にあるJA伊勢三重南紀統一柑橘選果場で10日、超極早生温州みかん「味一号」の選果・出荷が始まった。管内の農家からみかんが運び込まれ、従業員が手作業で痛みや汚れ、腐敗がないか目視で慎重に確認。その後、内部センサーで糖度や酸度を測定したり、腐敗センサーで腐敗果を判定したりした。厳しい品質チェックを通過したみかんのうち3割ほどが糖度10度、酸度1・1以下という基準を満たした〝みえの一番星〟として出荷された。
他産地や輸入品、他の果実との競合が激しさを増し、消費者ニーズの多様化・高度化も進展してきている。柑橘産地として生き残っていくため、また将来を見据えた販売戦略と競争力のある産地づくりのため、9年前、当時のJA三重南紀は選果場内の果場プラントの再整備工事を実施。「平成26年度園芸特産物生産振興対策事業」として、腐敗果センサーや市場ニーズに合わせた細やかな出荷形態に対応するための荷受けシステムなどを導入した。全選果ラインに最新の外観、内部センサーと腐敗センサーを導入したことで、より品質の揃ったロスの少ない商品を提供できるようになった。また集荷した荷物を園地別に管理し、選果することが可能になっている。
今年は雨が少なく日照不足による生育の遅れが心配されたが、生産者の努力や収穫直前に降った恵みの雨のおかげで高い品質を保持、平年並みの時期に間に合った。出荷は今月25日ごろまで続き、県内や名古屋など中京圏を中心に、大阪などにおよそ900㌧を届ける。