13日にはギャラリートークも 市内138基の庚申塔を網羅 交流センター企画展 

 古くから身近な存在として親しまれてきた「庚申さま」についての企画展「熊野市域の庚申塔と庚申信仰」が9日から、熊野市井戸町の市文化交流センターで始まった。同展は14日(日)まで。

 熊野市文化財専門委員の向井弘晏さんが平成26年に1年間かけて調査し、造立年月日や名称、刻像、刻字、寸法などをまとめたもの。

 庚申信仰は道教が起源で、平安時代に中国から伝来し、江戸時代に盛んになった日本独自の民間信仰とされ、古くから悩み事、落とし物、病気等の人々の願い事を適えてくれる有り難い身近な神様として庶民に親しみをもって祀られていた。道教の三尸(さんし)を母体として仏教、神道、修験道、民間の雑多な信仰や習俗等を習合し、日本独自の発展を遂げた俗信的な民間信仰で、干支の十干・十二支の組み合わせである庚(かのえ)申(さる)が60日毎に一度巡ってくる庚申の日であり、現在もお供えなどを行う風習が残る地域もある。

 今展ではいにしえの人々を支えた「庚申さん」を特集し、庚申信仰の歴史や伝承、設置場所の地図、熊野市須野町から紀和町までの庚申塔138基などを色分けしたパネルで紹介。唱える真言が地域によって微妙に変化していることや、仏教系と神道系による供花の違いなど興味深い解説文も掲示されている。

 また、育生町赤倉の庚申塔や西波田須と紀和町矢ノ川の持ち回り品、西波田須のお供え物は実物を展示。13日(土)午後2時からは、向井さんによるギャラリートーク「庚申塔の調査にあたって」を開き、この地域の庚申信仰を読み解く。

 入場とギャラリートークの参加は無料で、企画展の開場時間は午前9時から午後7時まで。向井さんは「最も古いのは大泊町で見つかった天和3年(1683年)のもの。史料や聞き込みをもとに、山中などへ入って死に物狂いで探しました。育生町粉所や新鹿町など、集落への入り口となる場所へ悪霊や悪病の退散を願う道祖神としての意味合いで祀られているところもあり、大変興味深い。かつて薬もなかった時代には、子どもの腹痛が治ることをお願いしたり、紛失物の発見をお願いしたり。さらに、喜びごとを報告するなど、非常に身近な存在でした。しかし、旧道に立つ庚申塔は歩く人もなく忘れられているのが多く、道路新設の立ち退き等で境内に移ったものもあります。諸願成就の身近な存在でありながら忘れ去られようとしている庚申さんに、往時の庶民が祈った思いを馳せて頂ければ。ぜひご来場を」と呼びかけている。問い合わせは同センター(0597・89・3686)まで。


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