戦時中の貴重な体験談 御浜小 地域の先輩から聞く

 「終戦後、3年ぐらいは雨が降ると血の臭いがした」―。戦後から76年目を迎える今でも、当時を知る人たちには暗い記憶が脳に焼き付いている。戦争を知らない多くの人は、当時の写真を見たり、文献を読んだりすることで悲惨な出来事の一部を垣間見ることができるが、〝戦時中〟を知る一番の方法は、体験した人から直接話を聞くことだ。

 御浜町立御浜小学校は16日、同町社会福祉協議会の協力を受けて戦争を体験した地域住民5人を迎えた。6年生33人が、松田せい子さん、服部操さん、川本三千子さん、門みち子さん、後呂ひなゑさんから戦争の体験談を聞き、今の平和な毎日は過酷な時代を生き抜いた先人達の苦労の上で成り立っていることを実感した。

 5人は戦時中の食事、服装、遊び、当時の様子などを紹介。「親と疎開している時、上を飛行機が通るたびに空襲の危険を感じて怖かった」「熊野市に向かう汽車が空襲を受けて、逃げようと汽車を降りる人が銃で撃たれた」「外を歩いていると突然空襲に襲われ、逃げる時間すらなかった。目の前で亡くなった人も」「小学1年生の時はランドセルを背負って楽しく通学していたのに、5、6年生の時は戦争でそれどころじゃなかった」など非常にショッキングな話が語られた。児童からの「銃の使い方を勉強したか」という問いには「人を突くということも学んだ」と答えた。

 終了後、5人は集まって戦争談義を続けた。終戦後もしばらくは厳しい生活のままで、学校も午前と午後の2部制で、午前は畑仕事、午後に授業という状況だったと回想。「自分でわら草履を作って、それを履いて登校してたね」と振り返っていた。

 米を作っていた農家、野菜を作っていた農家などで食べ物を物々交換したこともあったと話し、「みんな生きるのに必死。それでもみんなで仲良くやってこれた」と絆の強さもにじませていた。


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