夜空の大輪で見送る 熊野大花火大会中止の中、初精霊供養

 熊野市木本町の七里御浜海岸で17日、初精霊供養が営まれた。熊野大花火大会が中止となった中、18家庭の遺族らが最愛の家族の御霊を弔い、打ち上げ花火で見送った。

 木本の初精霊供養は例年、8月17日の熊野大花火大会と同時に行われている。300余年の伝統ある同大会は木本の初精霊供養で花火を打ち上げたことが起源と伝わる。今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、同大会が戦後初の中止となったが、熊野大花火大会実行委員会(実行委員長・中平孝之熊野市観光協会長)では伝統を絶やさまいと、この日に初精霊供養を実施した。

 感染拡大防止の観点から、木本町内の寺院に依頼した初盆家庭を対象に、参加家庭を募った。「三密」回避のため、1家庭の参列を10人程度にするよう呼びかけた。

 七里御浜海岸には18家庭の精霊棚が並び、遺族らが手を合わせた。日が沈みだした午後6時45分から町内の極楽寺、大雲寺、祐福寺、瑞雲寺、称名寺、正法寺の僧侶により法要が営まれた。読経が響く中、中平実行委員長はじめ遺族らが続々と焼香。故人の冥福を祈った。

 この後、夜の帳が下りるのを待ち、午後7時15分ごろから打ち上げ花火。約5分間にわたり、ケーソンから打ち上げられた花火が夜空を彩った。設置に工夫を凝らし、まるで海上自爆のような花火も。参列した遺族らは花火を見上げながら、亡くなった人たちを偲んだ。

 また、堤防沿いには見物客らの姿もあった。町民の一人は「大会は中止でしたが、ケーソンからの打ち上げに熊野大花火大会の雰囲気が感じられ、感激しました」と目頭を熱くしていた。

 中平実行委員長は「今日は本来なら絶好の花火日和でした。コロナという見えない敵のため中止せざるをえず、残念だが仕方ない。花火大会が終わるとすぐに来年の大会の準備に入るが、先が見えないのが辛く、来年の準備も出来るかどうか。これから検討を重ねていきたい」と話していた。


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