地域の精神科医療を支える 熊野病院 起工式で安全祈願
熊野市久生屋町、医療法人紀南会・熊野病院で8日、同病院増築工事の起工式が行われた。鉄骨造4階とペントハウスを備えた設計で、来年秋の完成を目指す。
熊野病院は昭和35年6月、55床の精神科単科病院として誕生。同37年4月の150床増設を機に医療法人化し、その後も東紀州唯一の精神科病院として地域医療を支えている。現在の診療科目は精神科と内科で、病床数320。
今回の増築後の建物は1階が外来棟。2階が認知症治療病棟で60床、3階は精神科急性期治療病棟の48床。4階が管理棟となる。建物南側は個室が並ぶ設計になっているという。設計は中日設計株式会社で、施工者は榎本工務店(榎本義秀代表取締役)と株式会社平野組(平野金人代表取締役)による榎本・平野特定建設工事共同企業体。
8日の起工式には紀南会の野嵜徹理事長や理事、設計・施工業者の代表、来賓の河上敢二市長、谷川孝栄県議、久生屋区の杉本和巳区長、谷川隆富吉野熊野新聞社社長らが参列した。神事は深山神社の山東美晴宮司が斎主となり、工事の安全を祈願。出席者を代表し中日設計の清谷太一代表取締役会長が鎌で刈初、野嵜理事長が鍬で穿初、榎本工務店の榎本代表取締役が鋤で敷均の儀をそれぞれ執り行った。
起工式が滞りなく終了し、野嵜理事長は「この地域の精神科医療を支えるべく、認知症と急性期病棟を整えて、地域の皆さんにお役に立てるよう精進していきます」と話した。河上市長も「規模だけでなく施設内容も充実しており、地域にとって大変ありがたい増築工事。早期完成と増々の発展をお祈りしています」と期待を寄せた。
榎本工務店によると、増築分の工事は来年4月に完了。その後、解体などもへて来年11月20日の竣工に向け工事を進めていく。
